今月で終わりとなる仮面ライダー鎧武。仕事中にふと思ったことがある。
今回は最初から結末を考えた上でスタートしたらしいが、
だとしたら絋汰とミッチの行動と結末は、完全に意図して真逆にされたのか。
まず主人公の絋汰だが、彼は物語当初から自分を省みない。
しかし一方で、自分の手で守れる人達ならば命を捨ててでも助けようとする。
チームを守る為ならバイトをきっぱりと辞めるし、
人々と街を守るためなら、インベスが蔓延る原因だと誤解され続けてもインベス退治に励む。
街を滅却するシステムを破壊する為に単機で乗り込むし、
挙句は世界を守る為に人間を止めて、そしてミッチの為に命までも捨ててしまった。
その結果、絋汰自身は現在瀕死だけど、
初瀬と舞と主任以外、ほぼ全員を守りきった。
これは間違いなく、絋汰が諦め悪く抗い戦い続けた結果と言える。
だが、ミッチは居場所を守る為、この人達を守る為と言いつつ、
その実は自分の立場を隠す為、我が身可愛さに自分を守る為だけに
嘘と工作を重ね、守ろうとした筈の絋汰を本気で殺しに掛かり、
主任もチャッキー達も見殺しにして、主任を自ら殺し、ペコをボコり、舞を連れ去った。
そして終いには絋汰をも殺してしまった(このまま死にはしないだろうけど
その結果、自分自身は五体満足で生きているが、
あれだけ守りたかった筈のダンスチームという居場所には最早戻れず、
慕っていた絋汰も、実の兄である主任も自分の手で葬ってしまい、
一番大切だったはずの舞も、自分が連れ去ったのがそもそもの原因となり死んだ。
今や、倒れ泣き続ける彼に近寄り声を掛けるものは誰もいない。
自分だけは守りきった代わりに、場所も繋がりも、他の全てを失った。
こうして振り返ると分かるように、
絋汰は我が身をとことん犠牲にして他の全てを守ろうとし、そしてほぼ成し遂げた。ミッチは我が身をとことん守りきった代わりに、友人も家族も居場所も、全てを失った。絋汰が主役、戒斗が準主役、ミッチが3号的な感じで見ていた鎧武ですが、
実はミッチも戒斗と同列の準主役なのでは?と思いました。